ベースメイクの中でも重要な「化粧下地」。しっかり肌アラをカバーしつつ、仕上がりを長時間キープしたいですよね。化粧下地の塗り方を肌悩みと質感に分けてご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
化粧下地の重要性
大人の肌づくりの過程で「下地」は最も重要
大人の肌づくりの過程で「下地」は最も重要なパートです。なぜなら下地には、肌の凹凸を滑らかにする、化粧崩れを防いでファンデーションのもちをよくする、肌のくすみをカバーして透明感を出す、ハリを出して若々しく見せる…などの効果があるからです。下地がうまく塗れたら、肌づくりの7割は完成したも同然! その後に塗るファンデーションも薄くて済みます。
「肌悩み」で選ぶ下地の塗り方
1:「毛穴カバー」下地の塗り方
長井かおりさん ヘア&メイクアップアーティスト
多くの女優やモデルからの指名を受ける人気ヘア&メイクアップアーティスト。雑誌や広告など第一線で活躍する傍ら、メイクレッスン講師としても活躍。ひとりひとりの個性や魅力を引き出す、上品なメイクテクニックにファン多数。Precious.jpでは、大人のリアルな肌や骨格の悩みをメイクだけで見事解決。
【BEFORE→AFTER】
はっきりした顔立ちを上品に見せるナチュラルメイクが定番。毛穴が気になる部分にファンデーションを重ね塗りしているため、ベースメイクのムラが目立っています。
【メイクプロセス】
<STEP.1>下地を素早く広げる
下地が乾かないうちに素早く広げるのがポイント。
片手でこめかみに向けて引っぱり、下向きに広がった毛穴を元の位置に戻した状態でベースメイクを。
<STEP.2>毛穴に入れ込むようになじませる
細部までしっかり下地を塗って土台を整えておくことで、ファンデーションの厚塗りを防ぐことができます。
毛穴カバー効果のある下地をパールひと粒分指にとり、両頬、おでこ、鼻、あごの5か所に点置きして、くるくると円を描きながら広げます。その後、片手で頬を軽く引き上げながら、下地を毛穴に入れ込むようになじませます。小鼻の脇など、毛穴が気になる部分は下地を入れ込むように指の腹でプレス。
2:「顔色がくすまない」下地の塗り方
【メイクプロセス】
<STEP.1>コーラルの下地を米粒大出す
オレンジがかったコーラルは、くすみはもちろん、加齢によってできてしまった目の下のくまや、口角のたるみ影を自然にカバーしてくれる優秀カラー。
<STEP.2>目の下、小鼻、口角にオン
コーラルはくすみが目立つ部分に。
コーラルは色ムラを補正してくれるので、くまやくすみなどが目立つ部分にのせていきます。
<STEP.3>目の下は優しく叩く込んで
目の下のくぼみをカバー。
目の下はくまだけじゃない、加齢によるくぼみが影となり、暗さを増長させます。この部分がにくまやくすみが残っていると、目の周りがどんより暗く見えてしまうので、しっかりカバーしましょう。指の腹を使ってトントンと優しく叩き込むように丁寧になじませます。まつげの際ギリギリまで、しっかり叩き込んで!
<STEP.4>小鼻の周りはくるくると
左右の小鼻両方ともにくるくると。
小鼻の周りは赤みやくすみが現れやすい部分。さらに皮脂も出て崩れやすい部分でもあるので、しっかり塗り込みましょう。指の腹を使ってくるくるとなじませてカバー力アップ!
<STEP.5>口角のくすみも忘れずに!
下唇の角のくすみを払う。
意外に忘れやすいのが口角の下の部分。40代を過ぎると、口角が下がり、それによって下唇の角に影ができてしまいます。下地の段階でくすみを払っておきましょう。いちばん影になる上から下に向かってなじませます。
<STEP.6>パールの下地を米粒大出す
パールにはくすみを払って透明感を出したり、艶を与えて立体感をプラスしたりする効果があります。年齢を重ねたことでたるんで平面的になってしまった顔を、パール効果でパッと華やかにしましょう。
<STEP.7>立体感を出したいTゾーンにオン
額の中心部からなじませて。
いちばん高く見せたい「おでこ」の中心あたりをくるくるとなじませます。鼻筋は上から下にすべらせて。厚く塗るとギトギトしてしまうので、薄く塗り広げます。
<STEP.8>頬骨に沿って艶を仕込む
頬にもう一度下地を。
頬にもパールを忍ばせます。指の腹全体を使って、内から外に向かって、薄く均一に広げたら、最後に頬骨に沿って重ねましょう。頬のいちばん高い位置に光をプラスすることで、頬がキュッと上がって見えます。
<STEP.9>あごの先端にもパールを忍ばせて
仕上げとしてあごの先っぽにも下地を。
最後にあごの先端にもパールをプラス。光をあごの中心の集めることで、たるんだフェースラインがすっきり!
3:「毛穴落ちを防ぐ」下地の塗り方
【メイクプロセス】
<STEP.1>マットタイプの下地を薄くのばす
マットタイプの下地は、つけすぎず均等に素早く伸ばすのがポイント。
まずは、顔全体にマットタイプの下地をのばす。パールひと粒分より少し少なめを手にとり、頬から顔全体に放射状に素早く広げる。
<STEP.2>毛穴が気になる部分に重ね塗り
崩れやすい部分のみにマットタイプのベースを重ねて土台を整える。
鼻や頬など、毛穴が気になる箇所に少量を重ね塗り。点置き後、クルクルと小さな円を描きながら毛穴に入れ込むようになじませるのがコツ。
【AFTER】
マットタイプの下地を仕込んでいるので、午後になっても崩れ知らず&毛穴レスな肌が持続。
「肌の質感」で選ぶ下地の塗り方
1:「マットな下地」の塗り方
【BEFORE→AFTER】
歳相応な印象のメリハリと血色感のないセルフメイクから、立体感と血色感をプラスしてフレッシュさを出した見た目年齢−5歳メイクに。
「スキンケアで解決できない肌のザラつきや凹凸は、毛穴の開きやシワが原因です。そんな場合は、マットに仕上がるタイプのプライマー(下地)を。パウダー状のシリコンが凹凸をなめらかに整え、ヴェールをかけたような質感に仕上がります。重ねるファンデーションも、ややマットに仕上がるタイプを。クッションタイプなら、テクニックがなくてもかんたんに理想のなめらか肌に」(ヘア&メイクアップアーティスト 長井かおりさん)。
【メイクプロセス】
<STEP.1>マットタイプの下地をオン
パール1粒分の下地をクルクルと円を描きながら広げておくとつけすぎやムラづき防止に。
<STEP.2>肌を引き上げながら下地を広げる
指先ををこめかみ部分に置き、斜め上に引き上げます。肌をピンと張った状態で下地を押し入れるように塗り込むと、毛穴やシワなどの凹凸をフラットに整えることができます。
口をすぼめて肌を伸ばした状態で、下地をすり込むように塗り広げます。
片手でフェイスラインを引き上げ、肌をリフトアップさせた状態で下地をすり込むように塗り広げます。ほうれい線やマリオネットラインなどが気になる口元は、口をすぼめ肌をのばしてから広げると◎。
2:「艶肌下地」の塗り方
【BEFORE→AFTER】
艶感不足で平坦なイメージのセルフメイクから、艶を効かせたメリハリとフレッシュさのある長井メイクへ。
「大人の艶肌に欠かせないのは、肌に上質な艶をもたらす下地です。肌そのものが輝きを宿しているような質感に仕上げること、艶を部分的に効かせて顔にメリハリを与えることがマストです」(長井さん)。
【メイクプロセス】
<STEP.1>下地を額と両頬に置く
下地をのせた部分の艶感がもっとも強くなるので、艶感を出したいおでこと頬骨の上に下地をオン。
艶系の下地を適量手に取り、おでこ、両頬になるとのようにクルクル円を描きながらのせます。なると置きには、厚塗りやムラ塗りを防ぐ効果があります。
<STEP.2>下地を広げ、なじませる
スキンクリームをのばすように、円を描きながら外側に向けて下地を広げるのがコツ。
手の圧と体温で下地が肌になじみ、肌そのものの艶やかさもアップ。
スキンケアクリームを広げる要領で下地を両手で素早くのばし広げ、ハンドプレスして肌になじませます。